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音読暗唱

探究館で力を入れていることの一つが、名文の音読・暗唱です。

入塾面談ではよく、宮沢賢治の「雨にも負けず」の一部をその場で暗唱してもらうのですが、授業でも、「がまの油売り」や「奥の細道」などの名文を暗唱しリズムを言葉を楽しんでいます。

この暗唱の集大成が、中島敦の「名人伝」(前半)暗唱です。「趙の邯鄲の都に住む紀昌という男が、天下第一の弓の名人になろうと志を立てた」で始まるやく6000字の暗唱に、毎回30分を充てて約3ヶ月を要します。子供達は、普段なじみの無い漢語調の言葉に、はじめは意味を汲み取って、内容を覚えようとします。情景を思い浮かべ、紙芝居のようにページをめくる暗記法がストーリーの記憶に役立ちます。しかし、ストーリーを追うだけでは、細かい言葉使いの違いや言い回しを覚えられるわけもなく、やがてリズムにのって音を頼りに語呂を楽しむことを覚え、すらすら唱えられるようになります。こうして覚えきったときの達成感は大きなものですが、この音で「覚える」経験は、その後の英語の学習の下地となるものです。

暗唱が完成したら、これまでの努力を利用尽くするため、全文を漢字を含めて書き下したり、穴埋め問題で言い回しや言葉使いの機微を味わいます。これもまた、英文の音読暗唱で活用できる経験です。

© 2018 TanQkan

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