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三単現になぜ"s"がつくのか

 ここで、英文法の背景にある「わけ」について考えてみましょう。例えば、名詞の複数形には“s”がつく、そして動詞は3人称の単数のときに“s”がつくと習います。では、なぜそうなるのか、疑問に思った事はありませか?こういう「疑問」を持つことが学習の第1歩。この関心を突き詰め、納得してから覚えるのが探究流です。

 手短に言えば、答えは「強調」です。イギリスは寒い国で、大きな声で強調するには口を大きく開けなければならないので冷えます。そこで、口をすぼめた鋭い「ス」という音で強調しているのです。

 確かに、複数形の“s”は、たった一つではないことを強調するためのものであることは理解できます。では、なぜ、三人称は単数であることを強調する必要があるのでしょうか?

 答えは、お互いに知っている「あの方」であることを強調するためです。英語で大事なのは、下の図のように「今、ここ、私達」です。過去や未来はぼんやりしていて、他人は個性を持たない「あいつら」です。そんな中、三単現は「あの方」に焦点を絞りスポットライトを当てるために使われます。このスポットライト効果は、英語という言語の奥底にある特有の感覚です。日本語を話すときには、相手や話題にしている第三者に対する目上・目下の関係が、使われる敬語に自然と反映されるように、英語では話題の対象にスポットライトを当てるという意識が、動詞に“s”を自動的に付けさせるのです。ネイティブは、決して文法を意識して”s”をつけているわけではなく、あるべき所に”s”がないと話題のピントが定まらず「なんとなく気持ち悪い」という感覚なのです。

​文法の話をしたついでに、次のページで発音についても触れておきます。まずは「R」の発音から。興味のある方は進んでください。

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